2013/03/10

はじまりの始まり

先月<もう2月だ>と書いてから、もう3月になるまでの時間の早さ・・・
泣きそうです。

会社勤めの頃は2月、3月と言えば年度末。
いろいろなことに区切りをつける時期でした。
ですが今年は、さまざまなことが“はじまり始めた”感じです。

まず2月、三陸南部に仕事で遠征。
継続的に通うようになるのはまだまだ先ですが、営業開始です。

道中で見た朝日。




















同様に沿岸南部・大船渡で『若手会議』というシンポジウムがありました。

東京の頃に知り合った若手さんも出席されていたので聞いてきました。

後半白熱の社会人チーム。















ボランティアで来ている学生の方、様々な形で働いている若い社会人の方、
それぞれに思うこと、感じること、考えることをたくさん聞けました。

震災直後から来ている方はもう2年になるわけですが、
これから取り組むべき課題もまだまだたくさんあるようで、
やはり復興はまだ、これから始まってゆく側面も持っているのだと
感じました。

3月に入ってからはすばらしい出会いが。

まず岩手が誇る工芸品、漆器です。

深く美しい光沢と色合い。
















漆器の名産地は日本各地にありますが、塗料としての漆は
国内ではそのほとんどが岩手県二戸市浄法寺町を中心とした
岩手県北部の地域からの生産に依っています。

漆器工房や塗師さんも浄法寺にはたくさんいらっしゃいますが、
その中で猪狩史幸(いがり・まさゆき)さんの漆器に惚れ込みました。

上の写真、よくある黒漆や溜塗りに見えるかもしれませんが、
よくよく見ると、フチの奥側に木目が見えると思います。

じつは猪狩さんの漆器は、顔料や鉄分を入れていません。
漆そのものの色で仕上げておられます。
漆は、茶褐色で半透明な色合いを持っているため、そのまま塗り重ねて
写真のような深い色合いに仕上げることができるそうです。

そもそも漆掻きを自らの手で行いたいがために浄法寺へ移ってこられた
猪狩さん、自然の中に立つ漆の木も、塗料としての漆も、それを塗って
仕上げた漆器も、すべての姿を知っているからこそ語れる漆のお話は
とても深く、これまでの漆器に対する認識を変えてくれる、大きな発見でした。

深く惚れ込んで買わせて頂いた椀とともに、またひとつ新たな生活が
始まったような気分です。


そして最後に、盛岡ですばらしい家具屋さんに出会いました。
クラブエイトスタジオ盛岡さん、ご紹介頂いて訪れましたが、
店内は北欧、イタリア、スイスから選りすぐって輸入したすばらしい家具と
照明器具が美しく並べられた、探し求めていた家具屋さん、
という感じのお店です。

そして、名作に囲まれた贅沢な空間で、北欧の名作照明のセミナーがありました。















デンマークのLouis Poulsen、知っている方も多いと思いますが
Poul Henningsen(ポール・ヘニングセン)デザインのPHランプシリーズを
はじめとした名作照明をたくさん作ってこられた会社です。

その歴史をただしゃべるだけでも充分にセミナーになってしまうような
会社ですが、そうではなくて現在の作り手の様子や
デンマークでの照明の使われ方など、とても楽しく勉強になる内容でした。

お店、と呼ぶと少し違和感を感じる、ギャラリーのような雰囲気と
審美眼を持った方々に、これからの自分の住宅設計も
影響を受け、お力を借りて長くお付き合いできれば嬉しいな、
と思う出会いでありました。

本当に少しづつではありますが、いつか化学反応を起こすときのために、
じっくりといろいろなことを始めています。