2016/06/30

目を開き、耳を澄ませ

だいぶご無沙汰してしまいました。
この一年、週一回はブログを更新することを
密かに目標にしてきたのですが、惨敗です…

この1か月ちょっと、なかなかいろんな思いをしました。




私ぐらいの若造でも、建築の世界に入ってから
もう15年を超えました。
そのぐらいの時間が経つと、仕事のやり方や
考え方はだいぶ出来上がってきました。
どんな世界の方も同じだと思います。

そうやって自己を確立していくことは大事だけれど
行き過ぎると凝り固まってしまう。

そうすると、聞き逃してはならないとても大事な、
でもとても小さなお客様の声を聞き逃すんじゃないか。
見落としてはならないとても大事な、
でも自分にはなかなか見えないものを見逃すんじゃないか。

そう感じて、努めて違う世界を見て視野を広げ、
耳を澄まさなくてはいけないんじゃないか、と考えたのは、
2年ぐらい前だったでしょうか。

この1年ぐらいは特に、自分のやり方や考え方が
まるっきり通用しない、建築の仕事以外の世界に
飛び込むことを増やしました。

自分がやりやすいようにやってきた世界を出ていくのですから、
苦手なことのほうがずっと多いのが当然です。
求めにうまく応じられずに自分に失望して
落ち込むことばかりでした。現在進行形でもありますが。

それでも、終わってみれば楽しかったり、次はうまくやろうと
闘志を燃やしたり、ということができているのは
幸せなことかもしれません。

自分自身のことだけならそれで終わればよいのですが。

仕事で、関わる相手方の事情や願いや立場に
目を向け、耳を傾けて寄り添うことを
最初から放棄している(つもりはないのかもしれないけれど)、
そうとしか見えない姿を見聞きすることが重なり、
重いものを背負ってしまったりもしました。

そのために苦しむ人の姿を見たり、自分も苦しんだり、
それは過去になかった経験で、15年ぽっちでは
まだまだ力が足りない、と痛切に思い知りました。
苦しい発見でした。

でも必ず挽回して、そういう人たちや自分自身が
笑えるようにもっていきます。
そのぐらいまで、ようやく光が射して燃えてきました。
それは躁状態の闘志ではなく、とても静かです。
自分でも意外ですが。

よく目を見開いて、見つめること。
耳を澄まして、声を聞くこと。
それが私のすべきことだとわかったからかもしれません。

私は、あなたの声を聞きたい。
あなたが見ているものを見たい。
だから、話を聞かせてください。

設計とは、デザインとは、そういう仕事です。
もちろん、違うと言う人もいるでしょうが、
あえて言い切ります。
私は、そういう仕事をしています。