2017/06/13

眼福

昔からファンだったミュシャの、
『スラブ叙事詩』連作20点が東京に来ていた。
連休の代休と、仕事のついでを兼ねて見に行った。

会期の最終日に観るなどということは
これまでしたことがなかったが、案の定
ものすごい混雑具合だった。

街歩きの途中、コーヒースタンドの客席












それはそれとして、小さくても4m四方もある
巨大な作品の、隅から隅までよく見えるような
照明計画というのは、おそらく建築の観点とは別の
大変さがあったろうと思う。
絵そのものも良かったが、そのことにも感動した。

それから、会場の外、普段は国立新美術館の
廊下であろう一角で展示されていた人形を観た。











ミュシャの故郷、チェコは人形劇が盛んで、
操作技術も質が高いが人形自体の造形もとても良い。
良く出来た人形は、どこの国で生まれたものもたいてい、
ひとことでは表せない複雑で多彩な表情を宿しているが、
チェコで生まれた彼ら彼女らの顔貌は、なぜか
他の国のものとは違った印象をともなって、心に残る。





















プラハはいつか必ず行きたい街のひとつだが、
また一層そのことが強く思われた。












それから、とても良かったのが大英自然史博物館展。


世界中の化石標本の中で、もしかしたら一番有名かも知れない
始祖鳥の実物もあった。

世界で最も優れた、と評される標本のコレクションは
8,000万点を超えているという。
その一点一点に背景と物語とがあることを想像すると、
気を失いそうになる。

今回来ていたのはその1%にも満たない数だそうだが、
それでも濃密で、ひとりで興奮してしまった。











この蛸の標本は、ホルマリン漬けにすると色が抜けるため、
生きているときの色彩を残すために試みられた。
この探究心…

人間の持つ様々なちからを、最も大きく飛躍させる原動力は
好奇心なのだと、あらためて信じさせてくれた。

植物画の凹版。細密さに唖然とする。












閉館後の上野公園の穏やかな喧噪は、
想像にふけるのにとても良い。

猫門番も終業後だろうか、気が抜けている。